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お八つ アーカイブ

2008年07月16日

酒樽屋のお八つ 其之拾肆

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東北を除いて、鮎釣りが解禁になる頃、各地の和菓子屋にも「若鮎」が並びます。
写真の大極殿の鮎は、しっぽまで たっぷり求肥が..........

因に本日は「鮎の日」だそうです。
何の日でもあるんですね。

昨日は全国休漁でした。鮎漁はどうなのでしょうね...


大極殿
京都市中京区高倉四条上ル
075-221-3323

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2008年07月28日

酒樽屋のお八つ 其の拾陸

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夏と言えば、やっぱり これに限ります。  和三盆入り宇治氷

とらや
東京都中央区銀座7-8-6
電話:03-3571-3679
FAX:03-3571-6908
9:30~20:30 [平日・土曜]
9:30~19:30 [日曜・祝日]
年中無休

2008年08月07日

酒樽屋のお八つ 其の拾漆 田中金盛堂

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前に少し紹介した田中金盛堂のABCカステラです。
ABCといっても型は写真のように9個しかなく、しかも同じ文字が重複しているので正確には
7文字しかありません。残念ながらTARUYAと並べて撮影する事は出来ませんでした。

田中金盛堂

神戸市灘区篠原南町6−3−1
078-861-3731

田中金盛堂は大正の終わりに阪神大石駅の南側,酒樽屋の近所である船寺神社参道に於いて創業。(現在の韓八商店付近)
沿道の他店と共に盛業であったが、昭和13年の大水害で全てを失い、現在の場所に移転。
創業者の死後は兄重雄さんと弟幸雄さんで営業を継ぐも、昭和35年に弟幸雄さんは芦屋市大桝町に独立開業、今は子息の克志さんと二人で何種類もの商品を製造。

芦屋店のABCカステラにはK,U,H....などもあり。
因に、京都の田中宝盛堂とは全く無縁の由。

2008年08月20日

酒樽屋のお八つ 其之拾捌

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酒樽屋の娘も時々「お八つ」をつくってくれます。
この日のメニューは豆腐入りの白玉。

甘党の酒樽屋は普通の白玉が大好きなのですが、
豆腐入りの方がずっとヘルシーなのだそうです。
初めての食感に戸惑い、豆腐入りという事がなかなかなか判断出来ませんでした。
なかなか美味しいものです。


2008年08月29日

酒樽屋のお八つ 其の拾玖あるいは 眼球譚

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残夏の汗仕事のあとには丁度いい「水まんじゅう」です。
涼しくて美味なのですが、二つ並べると目玉に見えるのはわたくしだけでしょうか。

生田耕作氏が「眼球譚」を翻訳した時、タイトルを決めかねて仮に「目玉」としていたことが
ガリマール版全集の一冊に挿入されていたメモを読んで最近知りました。
後者を表題にした、おふざけ新訳が出た時、何かと話題になったのは記憶に新しいところです。
因に生田氏はジュネの「葬儀」にはもっと思案したのでしょう、「ジュネ」とだけ記されておりました。


京涼風果匠 「若菜屋」

京都市上京区千本通丸太町下ル東入主税町1129
075-811-7943

14275553.pjpeg.jpeg こちらは只今人気の「目玉おやじカメラ」30万画素ですけれど、フラシュメモリーにも使えます。
水木しげるさんは「眼球譚」を読んでいたのかな?

2008年09月04日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾

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先日、横浜の叔母さんが奈良の吉野土産に「鮎菓子」を、これでもかと言う位 たくさん送ってくれました。
吉野は酒樽の材料である樽丸の原産地ですので親戚が沢山います。
ここの「鮎菓子」を作っている店の露地を挟んだ所に祖母の家があり、夏休みには
必ず、自転車にのって吉野まで行き、何日も泊まっておりました。
この店に十円玉を握りしめて「鮎菓子」を買いに通ったものです。

裏街道には鮎料理の老舗「弥助」があります。

それにしても、こんなに何匹もの「鮎菓子」を前にするのは初めてです。

鶴萬々堂 支店 
奈良県吉野郡下市町本町
0747-52-2473
磯田明隆

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こちらは同じ奈良県でも奈良市の某旅館の夕餉に出た本物の「鮎」

どちらも美味なり。

2008年09月11日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾壱

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蕎麦板であります。
お店では「せいろ」も食べることが出来ます。

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本家 尾張屋
京都市中京区車屋町通二条南仁王突抜町322
075-231-3446

2008年09月17日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾貳 満月

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満月でありました。
少々、朧雲ですが、酒樽(さかだる)の蓋(ふた)を想起させます。

眞菓「満月」だけは曜日を限って店主自ら作るので入手出来ず、
本日は「阿闍梨餅」です。

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阿闍梨ācāryaというサンスクリット語は、規範を意味し、日本に来て高僧の意に転じ、天台宗や真言宗では僧位を表しています。中央が盛り上がった形は、比叡山で千日回峰修業を行なう阿闍梨がかぶる網代笠を象ったもので、厳しい修行中に餅を食べて飢えをしのいだことに因み考案された菓子です。

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阿闍梨本舗 満月
京都市左京区鞠小路通今出川上ル
075-791-4121
9:00~5:30

水曜日定休

2008年09月25日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾參

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みたまやの「黒みつだんご」なり。
米粉、餅粉、に吉野葛が入り,黒蜜にたっぷりの きな粉をまぶした食感は独特。
賞味期限は当日限り、売り切れの場合多し。

昔は一日二食だったので、八つ刻、即ち午後二時から四時の間に,お腹が空くので何か軽いものを、殊に少々甘い物を食べていたようです。
江戸中期頃にようやく三食になりますが、この「中食」の習慣は続いたようで、
現代の「お三時」は、その名残でしょうか。

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御菓子司 美玉屋
京都市左京区下鴨東本町18-1
075-721-8740
09:30~19:00
火曜日定休

2008年10月26日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾肆

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地元では知らない人はいない「大西商店」の焼きまんじゅうです

注文を受けてから三代目の店主自ら焼いてくれます。(一人で切り盛りしているのですが)
ご覧のように、この日は5個頼んだのです。
自家製の美味しい餡とカスタードの二種あり。
一個なんと80円
どこのデパ地下に行っても売っていませんよ。
たこ焼きも人気商品のひとつ。

夏になると、「アイスもなか」が人気になります。
何故か今の季節でも「かき氷」が食べられるのも不思議です。
店内でも食べられるようになったのですが、扉は開けっ放しですから。

神戸市東灘区御影本町 2-17-10
10:00~20:30頃

078-811-2114
不定休


2009年01月20日

酒樽屋のお八つ 其の拾陸

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京都人の昆布好きの方から酒樽屋への到来物

京昆布本舗 ぎぼしの「吹よせ」です。
何故、昆布屋さんが煎餅や豆を作っているのか不思議なのですが、彼女の好物だそうです。
確かに最近の華美な菓子類と違って、普通っぽさが新鮮です。
海老煎餅をはじめ海苔あられ等20種の菓子が入っていて楽しい「お八つ」です。
勿論、「昆布」も少し入っていました。

600-8006
京都市下京区柳馬場通四条上ル
電話 075-211-2824
FAX 075-211-0803
定休日 毎週日曜日・祝日
営業時間 9:00~17:30

2009年02月03日

酒樽屋のお八つ 其の拾陸

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節分です。
一寸豆です。「そらまめ」のことですね。
「ちょっと」ではなく、「いっすん」です。
今年は、豆の代りに松露にしました。

一寸と称していますが、実際は一寸五分ありました。

豆富本舗
京都市下京区東中筋通七条上ル文覚町

2009年02月09日

酒樽屋のお八つ 其の拾漆 

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ご存知「バウム・クーヘン」です。
BAUMKUCHEN,すなわちドイツ語で言う所の「木のケーキ」です。
本当に年輪に似ていますね。
樽屋は職業柄どうしても、食べる前に木目を読んでしまいます。
これですと、およそ40年もの、未だ樽にするには若すぎますが味は良いと思います。
バウムクーヘンは必ず、柾目に取ります。

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こちらは、吉野の川上村から来た200年ものの「年輪」
見事な物ですが、残念ながら食べられません。
もうひとつあったのですが、向かいの酒資料館の方が花台にしたいと所望され持ち帰られました。
未だ,切ったばかりですから水が出て来ますし案外重い物です。すぐに割れてしまいますから、花台には既に割れたものを差し上げました。
写真のものは真ん中が既に割れ始めております。この中心部の黒い部分は未だ湿っていますが、良い木目なので、若い頃に良く手入れされた証拠です。
この部分は酒樽には使いません。
一番外側の白太の部分も未だ湿っています。

因に、この木は上の部分が北側を向いて生えていたものです。


バームクーヘンは西武池袋店にあるカステラ屋さん黒船の黒糖入り

2009年03月07日

酒樽屋のお八つ その拾捌 BECK' S!

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コンサート会場から外に出たら、食事をする所がない。
ブラブラ探していたら、なんと[BECK'S]というカッフェが。
当日限定じゃないでしょうね。

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この店の[BECK'Sプレミアム]という名のサンドウイッチは,気のせいかストラトの味がほのかに。

ここの親会社の名前がなんと[JEF]
きっと JEFF BECKファンが経営しているのかと思っていたら、JR東日本フーズでした。
サッカーのジェフ市原のオーナーでもあります。
どおりで関西では見かけない筈です。

2009年04月06日

酒樽屋のお八つ その拾玖 ラスク

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京都の進々堂特製のラスクです。
黒糖が良い具合にからめてあって、芯は少し柔らかくて、形といい味といい、どこかカリントウを思わせます。
カリントウは元来、小麦粉を原料としたものですから、当然かもしれません。
売れなかったバゲットやバタールを元にしたものなので、商品リストにもラインアップされていませんし、いつでも売っている訳ではないのです。

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神戸、阪急六甲のポエムのチョコレート味ラスク。 
こちらはバゲットやパリジャンを普通に切断し、隣のケーキ工房のチョコレート壷にほり込んだように想像されますが.......
この店のバゲットはビゴの店系だからなのか知れませんが、夕方には殆ど売り切れていて、
材料の量にばらつきがあるのでしょう。店頭にたくさん並んでいる日もあれば、全くない日もあります。
食パンのラスクはよく見かけますけれど、バゲットのラスクの存在は最近 知りました。

子供の頃、食パンの耳を油で揚げたものに砂糖をまぶして、お八つがわりにしていた事を思い出します。


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2009年04月20日

酒樽屋のお八つ その弐拾 資生堂パーラー

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資生堂パーラーの手焼き「花椿ビスケット」です。
むかし懐かしい味です。
今でも昭和初期のレシピを変えていません。
かわいい缶は他に金缶と青缶があります。

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明治四年創業、日本初の洋風調剤薬局「資生堂」のソーダ製造機です。
創業者福原有信はパリ万博の視察の帰りに寄ったアメリカでドラッグストアが薬局と
飲食店を兼ねている事を知り、明治35年に店内に「ソーダファウンテン」を設ける。
本物志向の有信は写真のソーダ水製造機だけでなく、シロップやコップ、ストロー(麦わら)に至るまでアメリカから取り寄せました。
日本初のソーダ水や当時まだ珍しかったアイスクリーム人々の評判を呼びハイカラな新名所となりました。
新橋のおねえ様方が御贔屓であることは今でも変わりません。

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2009年05月06日

酒樽屋のお八つ その弐拾壱 特大どら焼き

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亀十の大きな「どら焼き」です。皿からはみ出しそうです。
竹十とは関係ありません。
大正末期創業の同店は、”亀は万年”の着実に進む亀の歩みと十のおめでたい縁起をかついで亀十と名付けたそうです。


亀十のどら焼 一個 315円(白餡もあり)

亀十
東京都台東区雷門2-18-11
TEL:03-3841-2210
10:00〜20:30
定休日: 第1、第3月曜

2009年05月14日

酒樽屋のお八つ  その弐拾弐 蘇格蘭製ビスケット

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単なるスコットランド製のビスケットです。1830年創業のパン屋さんCAMPBELLSのペチコートテールですが、

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どこかで見た事があるなあと思って、倉庫を探すこと一時間。
ようやく奥の方で埃をかぶっていた、
丸竹を割る道具「菊割り」、通称「蜘蛛の巣」を見付けました。
樽(タル)の箍(タガ)を割るには向いていません。
もっと短い、一尋(ひろ)位の長さの素直な竹を割る時に使います。
即ち、最近見かけなくなった壁下地に使う竹を割る際に使っていた物です。
今は壁紙が殆どで、漆喰を使うときも下地に竹を組む事は稀で、我が家でもボードです。
樽(タル)の箍(タガ)に使った残りの短い先の方は、こうして竹下地に使っておりました。
更に先の部分は帚(ホウキ)の柄に使い、太い部分は竹杓に、残った端材で竹釘を作るのです。


2009年05月18日

酒樽屋のお八つ  その弐拾參 カヌレ

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パン屋さんMOISANのカヌレです。
大阪そごうが8月に閉店するので、いつまで美味しいパンが食べられるのか心配です。
カヌレはともかく、ここの細めの「フリュート」はパリのバゲットの味を持っているからです。少々値段は高めですけれど。

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大阪市中央区心斎橋1丁目8番3号
そごう心斎橋本店B1
Tel.06-6244-5488
営業時間:10:00-20:30
不定休

2009年06月02日

酒樽屋のお八つ  その弐拾肆 カステラ

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カステラ好きの樽屋の親方は、普段は長崎のものを選びますが、
時には違う場所のものも食します。
今日は、創業明治十八年 京都 大極殿本舗のもの。
切れ端を買いに行ったのですけれど、毎日あるものではないので、あいにく売り切れ。
一番かわいい大きさの物をもとめました。

包装紙が大正まで使用していた物の複製ですから、雰囲気があります。
いわく、カステイラ芝田謹製、「元和蘭人の嗜好品にして慶長年間始めて日本に渡来なせし
神秘的菓子にして其カステイラ(南蛮語)は西班牙の地名CASTILLAに起こり輸入後
カステイラと訛りて呼志を謂ふカステイラはさとう鶏卵小麦粉の三種にて精製せし事なれば
美味滋養第一なり 黄金深色 風味淡白 老賞幼懐 滋養豊富 言宣哉」

カステラは、粕庭良、加寿天以羅、佳州帝良、等の当て字を使いますが、

大極殿の場合は大和言葉の裳いの豊さから「春庭良」という不思議な表記にされています。

確かに、11世紀期のスペイン北部にカスティーリャ王国という名の国がありました。

京都市中京区六角通高倉東入南側
075-221-3311

六角店 9:00am~7:00pm

甘味処「栖園」10:00am~6:00pm
定休日 水曜日  本店 年中無休

2009年06月11日

酒樽やのお八つ其の弐拾伍 その後のバウムクーヘン

東京も東北南部も梅雨入りしました。
昨日の神戸の雨がきっと東京に移動していることでしょう。
雨期は嫌なものですが、日本一雨の多い奈良県吉野郡川上村では樽(タル)の材料となる、
杉が最も良く育つ時期でもあります。雨と太陽の光が他の植物同様、吉野杉には不可欠です。
写真はモンテールのバウムクーヘンです。
通販で大人気だそうですが、バウムクーヘンといえば、やっぱりユーハイムでしょう。
日本ではじめて、バウムクーヘンを作った店ですから。

monteur_y-010.jpegphoto/モンテールのサイトより
これはこれで厚さ10センチが売り物だそうです。

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こちらは、そっくりですけれど「吉野杉」のかたまりです。
樽(タル)の材料を取った残りの芯の部分です。
樹木を車の中や家の中に置いておくだけで自然の芳香剤となり、嫌な匂いも吸い取ってくれます。
あらかじめ、切り込みを入れて割れを防いでおります。
居ながらにして、「森林浴」が出来る訳です。


1921年(大正10年)、カールとエリーゼ・ユーハイム夫妻が、横浜・山下町にドイツ菓子の店「E・ユーハイム」を開店しました。
カールは1886年、南ドイツのカウプ・アム・ライン生まれ。
厳しい修行の後、一人前の菓子職人になった20歳の時、菓子協会の勧められ中国・青島(チンタオ)の菓子店に勤めました。
当時の青島はドイツの租借地、カールの作るバウムクーヘンは「本場ドイツの味」と評判を呼び、権威あるマイスターの資格も取得しました。
あっという間の5年間が過ぎ、久しぶりにドイツに帰ったカールはひとりの女性を紹介されます。
その女性こそエリーゼでした。1892年ザンクト・アンドレーアスベルク・ハールツ生まれ。
簿記や菓子店経営に必要な学科を習得している聡明な女性でした。
ふたりは1914年7月青島で結婚式をあげます。
しかし、折悪しく第一次世界大戦が勃発し、青島は日本軍に占領されてしまい、カールは日本に強制連行されてしまったのです。
広島の収容所に入ったカールでしたが、たまたま開かれたドイツ作品展示即売会で自慢のバウムクーヘンを出品、これが日本で初めて焼かれたバウムクーヘンでした
1920年捕虜生活から開放されたカールは、その後も日本に残り、ちょうど「明治屋」が銀座に開店しようとしていた洋風喫茶「カフェ・ユーロップ」の製菓主任として迎えられることになりました。
青島に残されていたエリーゼは息子のフランツを連れて日本に渡り、カールと再開。その後、明治屋との契約が終わった1921年、全財産をはたいて手に入れたのが横浜の店だったのです。

「E・ユーハイム」では、バウムクーヘンをはじめ、サンドケーキ、プラムケーキ、アップルパイなどが飛ぶように売れ、順調な滑り出しをみせました。カールは日本人の職人を「ベカさん」と呼び、ドイツ式の材料を正確に計る科学的なやり方を教えていきました。
しかしマイスターの誇りであるバウムクーヘンだけは他の職人にまかせることはありませんでした。
ふたりの間に女の子も生まれ、すべてが順調だった矢先の1923年、なんと関東大震災が起こり、店は一瞬にして灰燼と化してしまったのです。
命からがら船で逃げ出した夫妻がたどり着いたのが神戸でした。
このときふたりの全財産はカールのポケットに入っていた五円札が1枚だけだったといいます。

しかし、夫妻はあきらめまず、多額の借金をして神戸・三宮に新しい店を開店。
その名も「Juchheim's」
英国人ミッチェル氏の設計による神戸で初めての洋館菓子店でした。
港町神戸には当時から多くの外国人が住んでおり、ユーハイムは本場のドイツ菓子を売る店として注目され、初日の売上はなんと135円40銭。
2日目には材料が底をつくまで売りつくしてしまったといいます。
失意のどん底から、また夫妻は新たな夢に向かって歩み出します。
順調に業績を伸ばし、近代的で清潔な新工場を建設するに至りました。
その工場が完成して間もない1930年10月には、昭和天皇即位を記念して神戸で行われた大観艦式の献上菓子に選ばれるなど、順風満帆の日々が続きました。

その後新しい店などに押されて売上を落とすこともありましたが、そんな時エリーゼはカールや職人に向かって力強く言いました。
「私たちは最高の材料と最高の技術でお菓子を作っています。心配ありません。」と。

やがて第二次世界大戦が勃発。職人たちも次々戦場へ赴きました。
神戸も空襲を受け、夫妻も六甲へ疎開しましたが、カールは病に倒れ、日々衰えていきました。
1945年夏、広島・長崎に原爆が投下され、終戦を迎える前夜、ついにカールは息を引き取りました。その上、エリーゼも終戦後ドイツに強制送還されてしまったのです。
しかしユーハイムの灯は消えませんでした。
戦争から戻った職人たちが1950年神戸・生田神社前に店を開き「ユーハイム」を再開したのでした。そして1953年には、6年ぶりにエリーゼを日本に迎えることができたのです。再びユーハイムは、カールとエリーゼの理念に導かれながら「美味しいお菓子」を作ることで、新たな時代に向かって歩み始めたのです。
その後日本経済の成長に伴い、より多くのお客様にお菓子をお届けできるようになりました。エリーゼは、商売繁盛の秘訣は「誠実と正直」と言い続け、純正自然の材料のみ使い、不必要な添加物は使わないという基本理念は変わることはありませんでした。
やがて1971年、エリーゼ・ユーハイムは80年の生涯を閉じましたが、1976年にはドイツに出店。
エリーゼの悲願を果たすことができたのです。「 ユーハイム物語」より抜粋

2009年09月04日

酒樽屋のお八つ  その弐拾陸 ラスク

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折角買って来たバゲットが残ってしまったので、知らない間に樽屋の女房がシナモンラスクを作ってくれていました。
ORANGINAのグラスに入っているのは、お中元の定番「カルピス

ラスクはバゲットを薄く切って、150度位のオーブンで10分ほど焼いた後、表面に溶かしバターを塗り、シナモンとブラウンシュガーをたっぷりのせて、
再度オーブンで10分くらい焼きます。
なかなかの美味です。
材料のパンは舊藤井パン製

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MOISANのフリュートが心斎橋そごうの閉店に伴って関西では買う事が出来なくなって、まことに残念です。
毎朝パリまで出かける訳にもいきませんし。

市販のラスク

2009年10月20日

酒樽屋のお八つ  その弐拾陸 シュウクリーム

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近所の洋菓子屋がつくる、シュウクリームです。
「創作」と称す奇を衒った「いまどき洋菓子」と違って、
「普通」なところが好みです。

アンファン・シャントゥール(Enfants Chanteurs)
神戸市灘区篠原本町2−4−19
078-881-3344

2009年12月04日

酒樽屋のお八つ  その弐拾漆 ゆべし

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平安の武将、坂上田村麻呂が二羽の丹頂鶴に育てられたという伝説に因んだ形をした、
「ゆべし」です。
という訳で福島県郡山市独特の三角型をしていて、柚の代わりに芥子の実がまぶしてあります。

かんの屋 本店文助
〒963-0911 福島県郡山市西田町大田字宮木田39
TEL:0247-62-2016
営業時間 AM 8:30~PM 7:00 (年中無休)

2009年12月29日

酒樽屋のお八つ  その弐拾捌 瓦煎餅

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神戸の名勝「湊川神社」の筋向かいにある有名な「菊水總本店」の瓦煎餅です。
創業は明治元年といいますから、140年の老舗、湊川神社に参る人々のお土産の定番でした。
本店は震災前までは確か木造三階建ての立派な店舗だった記憶があります。

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「名所独案内」等にも、そんな光景が見えます。


誠に残念ながら、来年の一月末で全店閉店解散だそうです。
軽い食事も出来て、菊水茶も美味しい神戸を代表する名店の一つです。
UCC傘下になってからか、良い珈琲も飲めるようになっていて便利でした。

神戸らしい店が次々なくなっていって、寂しくなります。
来月中に、もう一度行ってみよう。

湊川神社は神戸では「楠公さん」と親しまれ、また多くの漢詩人にも詠まれました。

宿生田                 

千歳恩讐兩不存,
風雲長爲弔忠魂。
客窗一夜聽松籟,
月暗楠公墓畔村 菅茶山

2010年04月07日

酒樽屋のお八つ  その弐拾玖 

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桜、満開。
花見団子ですけれど、形は同じでも餡で出来た茶席用のもの。
酒樽屋の親方は、お八つに気楽にいただきました。
お薄はビタミンがたっぷりだそうです。

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その他の蒸菓子「若草」「春日野」「桜花」
甲乙つけ難し。

御菓子司 緑菴(りょくあん)

定休日 第2、第4水曜(祝日を除く)
営業時間 午前9時~午後7時
 京都市左京区浄土寺下南田町126-6
 電話 075-751-7126

2010年06月07日

酒樽屋のお八つ  その參拾

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LADUREE(ラデュレ)の「マカロン」です。
早く食べないと美味しくないので、現物はもう無いため間違っているかも知れませんが、
多分、左がショコラ、右がマント・グラシアン。
1862年パリ、ロワイヤル通りに創業。
ふたつのマカロンを合わせて、中にガナッシュを入れて48時間ねかせて置くそうです。
今では軽い食事も出来るシャンゼリゼ店の方が人気の由。


最近、東京と名古屋にも進出したので入手し易くなりました。

銀座三越 東京都中央区銀座4-6-16
午前10時~午後10時 03-3563-2120

日本橋三越 東京都中央区日本橋室町1-4-1
午前10時~午後8時 03-3274-0355

名古屋高島屋 名古屋市中村区名駅一丁目1-4 
営業時間:10時~20時 052-566-3877

2010年08月08日

酒樽屋のお八つ  その參拾壱 マドレーヌ

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マドレーヌを頂いたので、菩提樹の茶を淹れました。
食べ物や飲み物の記憶は遠い思い出を鮮明に喚起させてくれるものです。
お茶に浸したマドレーヌを口に含んだ主人公が過去を呼び覚ます、
マルセル・プルーストの代表作を思わせるレシピが何点も写真入りで再現されている右側の書籍
PROUST LA CUISINE RETROUVEE [Editions du Chêne 1991]
樽屋の女房の愛蔵書の一冊です。

もしかしたら「深夜食堂」のバターライスや赤いソーセージと同じ感覚なのかも知れません。


LEMON DROP
東京都武蔵野市吉祥寺本町1−2−8レモンビル1階
0422-22-9681
営業時間/10:30~22:30
定休日/年中無休(年末年始を除く)

2010年08月27日

酒樽屋のお八つ  その參拾貳

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神戸元町の老舗「花見屋」の特大煎餅です。(正式には大判というらしい)、右は樽屋の親方贔屓の甘いものです。
半端な大きさではありませんが、価格も最近の激安店に並ぶもの一袋より高い168円。
東京の煎餅屋さんと同様、一枚だけ食べたい種類のものを買う事が出来ます。
大きさだけなら、時々一枚千円くらいする顔ほどの大きさの物も見かけますが、

因みに、このような物を関西では「おかき」と呼び、関東では「煎餅」といいます。
関西で「煎餅」というものは小麦粉主体のもので、決して醤油味ではありません。
材料は米なのです。東西共通しているものは小型の「あられ」だけのようです。

花見屋

神戸元町本店
〒650-0022 神戸市中央区元町通2-6-6
営業時間 9:30~21:00 (最近は19:00閉店のような気が.....)
定休日 なし
TEL:078-331-0873

2010年09月04日

酒樽屋のお八つ  其の參拾參 水羊羹

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本日のお八つは、超高級菓子舗「喜多」の「水羊羹」です。
写真家の喜多章氏の御機嫌が良い時にだけ限定数個だけ作る非売品なのです。
水出し煎茶との取り合わせで頂きました。

因みに手前の煤竹によるの楊枝も同氏の作

2010年10月03日

酒樽屋のお八つ  其の參拾資 白梟焼き

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梟(ふくろう)は、「不苦労」、「福朗」、「福籠」、「福老」などに通じると言われ、
「蝙蝠」と同じように縁起の良い動物だと言われています。とりわけ、白い梟は森の守り神だという説も。
材料は無添加、種子島のBROWN SUGARに大島の塩が売り物ですが、味は普通。

「我が家はふくろう株式会社」
10:00~18:00 水曜日定休
神戸市灘区原田通1丁目2−19
王子動物園の向かい

2011年01月30日

酒樽屋(さかだるや)のお八つ 其の參拾伍

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御存知「ぜんざい」であります。
本当は鏡開きの日に作るつもりだったのが、すっかり遅れましたけれど
鏡開きの餅も残っていたので、本日のお八つは「ぜんざい」です。
材料の小豆は、かつて樽屋竹十の味噌樽(たる)を委託販売してもらっていたFarmの
平野さん自家截培によるものです。

彼が木製味噌樽を使った味噌の作り方を詳しくUPしてくれていて、参考になると思います。
   
      

2011年09月01日

酒樽屋のお八つ  其の參拾陸 タマリンド

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九月、長月になりました。

写真は東南アジア(主にタイ)やカリブ海(主にジャマイカ)で大変普及しているお菓子です。
たいそう美味しいのに何故か日本では、余り見る機会がありません。
唯一、香辛料としてインド料理用などにペースト状で輸入されているだけのようです。

この お菓子は枝豆の兄貴分のようなタマリンド豆を甘く炊いて、
アプリコットパウダーをまぶしたものです。
見かけは美味しそうではありませんし、
問題は中から出て来る種が、まるで石のように固いのです。(手前の黒い粒)
下手をすると歯を折るくらいの固さなので、
神経質な日本人向きではありません。これが原因で輸入しないのでしょうか。
実際に食べた時も何故、石が混入しているのかなと不審に思った程なのです。


2012年04月29日

酒樽屋のお八つ 其の参拾漆

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ご存知の「かりんとう」です。
以外に歴史が古く、遣唐使がもたらしたという説や、スペインの菓子を真似たという説。
あるいは姫路藩の命により長崎のオランダ人が製法を伝授等々。

確かに「かりんとう」は兵庫県姫路の特産物なのです。
現に、この函の「かりんとう」も城下町姫路の産。
市場に出回っている物に比べると非常に堅いので、
食べる時は少々注意を要します。

其の味は極上。
「美味佳良」に偽りはありません。
但しカロリー過剰摂取には御注意ください。

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兵庫県姫路市博労町88
金岡製菓 079-292-3464

2013年10月25日

酒樽屋のお八つ 其の參拾伍 六珈

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酒樽屋(さかだるや)が生まれ育った町、阪急六甲駅南の並木道にある小さな喫茶店
「六珈」(ロッコ)
これでもかという位、丁寧に珈琲を淹れて下さいます。
小さいけれどゆったりとした佇まいです。
静かな時間が流れています。

「六珈 (ROKKO)」11:00~22:00 日曜 20:00まで
 〒657-0051 神戸市灘区八幡町2-10-5

2014年06月24日

酒樽屋のお八つ 其の參拾捌

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御菓子司 鍵善良房(かぎぜんよしふさ)さんの甘露竹。
竹の筒の中に水羊羹が入っている涼しげな御菓子です。
容器の竹なら幾らでも用意出来ますが、樽屋で羊羹を作る事は出来ません。
これまた、到来物であります。

 京都市東山区祇園北側264番地
 075−561−1818
 9:00〜6:00 月曜日定休

2014年06月30日

酒だる屋のお八つ その參拾玖

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水無月(みなづき)であります。
京都では6月30日に「水無月」をいただきます。

一年の丁度折り返し点にあたるこの日に、前半年の罪や穢れを祓い、
後半年の無病息災を祈願する神事「夏越祓(なごしのはらえ)」が行われます。
この「夏越祓」に用いられるのが、水無月の和菓子の代表ともいうべき「水無月」です。
「水無月」は白の外郎生地に小豆をのせた三角形の和菓子ですが、
それぞれに意味があります。「水無月」の上部にある小豆は悪魔払いの意味、
三角の形は暑気を払う氷を表しているといわれています。
旧暦六月一日は「氷の節句」または「氷の朔日」といわれ、
室町時代には幕府や宮中で年中行事とされていました。
この日になると、御所では「氷室(ひむろ)」の氷を取り寄せ、
氷を口にして暑気を払いました。
そのような贅沢が許されない庶民は代わりに和菓子「水無月」を食した訳です。

因みに梅雨の時期に「水無月」はおかしいと思われるでしょうが、
「無」は単に「な」を意味する漢字で、水の月を表しています。

「氷室」とは冬の氷を夏まで保存しておく所のことで、
地下など涼しい場所を利用して作られた、昔の冷蔵庫です。
京都では北山に「氷室」という名の場所が今でもあり、その跡が残っています。
かつて、この北山の氷室から宮中に氷が献上されたと『延喜式』に記され、
宮中では氷室の氷の解け具合により、その年の豊凶を占いました。

2015年02月27日

酒樽屋のお八つ 其の肆拾

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不思議な食べ物であります。「カオニャオマムアン」といいます。
完熟前のナムドックマイ種なるタイのマンゴーをカットし、
餅米にココナッツミルクをかけたものを添えるという奇妙なデザートです。
カオニャオとは餅米の意味。日本の「しがらき餅」のようなものでしょうか。
甘いマンゴーに甘い餅米の組み合わせはタイならでは。
マムアン(マンゴー)の旬は四月らしいのですが、日本で食べる燻蒸されたマンゴーと
現地のそれとは別物です。さすがフルーツの国です。
日本人にとって餅米との組み合わせには最初は違和感があるものの、食べるうちに虜に。
タイでは、まことにポピュラーなデザートで
日本のタイ料理店でも最近では普通に出て来るようになりました。

三枚目の小さい写真はバンコクの千疋屋と言われているメー・ワリーMae Vareeのテイクアウト・マンゴーデザート「カオニャオマムアン」

たるや 竹十

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