上から、四斗、二斗、一斗用の漬物タル
それぞれ、落とし蓋が付属します。
「高倉屋」さんの漬物です。
京、錦市場に店があります。
高倉屋さんの店頭には「たるや竹十」の漬物樽が並んでいる筈です。
ほかの漬物屋さんは皆さん、漬物樽の上にビニールを敷いて商品を並べておられますが、見栄えが悪いだけではなく、呼吸している杉樽の効力が発揮できません。
高倉屋さんだけは直接並べられています。
漬物たちと樽は喜んでいることでしょう。
錦・高倉屋さんの依頼で二重底という特殊な漬物樽をたくさん作りました。
錦市場の東端にある高倉屋さんでは漬物樽に直接、糠を漬けています。
当たり前の事なのですが、最近、高倉屋さんのように直に漬けているお店は殆どありません。
無粋にビニールを敷くと、漬物樽と漬物の間に互いに悪影響が発生するだけで樽を使う意味が無いのです。ビニールで樽と糠を遮断してしまうと、メンテナンスは楽ですが、漬物樽の寿命は短くなり、漬物の味はプラスチック容器を使ったものとあまり変わらなくなります。
新しい漬物樽に高倉屋さんの新しい糠。
これは、四斗樽なので、約百キロの重さになります。
たるや竹十から出荷直前の漬物樽。
見た目は四斗樽ですが、天から8寸(約24センチ)の所にもう一枚底を入れて、持ち運び易く拵えました。
そんな事があってはならないのですけれど、万一漏れて来た時のことを想定して、水抜き穴を開けています。
セロリと茄子
友人のM君は、自家精米で出た糠を使い漬物を作っています。
「たるや竹十」の漬物樽に「恵比寿ちゃん」と命名して、毎朝、仕事に行く前に手入れをしているそうです。
殆ど、恋人状態と言えましょう。
画像(上左の写真)が悪いのですが、重石に使っている石は、彼が自分で採集してきた富士山の溶岩だそうです。
どんな石を使っても、漬物の味には全く関係ないと思います。M君だけの趣味でしょう。
決して、M君のまねをして富士山の溶岩を持ち帰らないようにして下さい。
国立公園ですから。
酒樽屋はゴールデンウィーク最中も休日返上でスタッフ一同、店舗開店の準備のために出勤しました。
作業中、隣の市から たるや竹十のH.P. を、ご覧になったお客さんが400CCの大型スクーターで漬物樽を買いにやって来てくれました。
最初は乗用車で来られようとしていたそうですが、恐ろしい道路の渋滞に、急遽二輪に変更されたそうです。
お買い上げ下さった9リットルの漬物樽が後部のテールボックスに丁度入った時には驚きました。
道理で電話で何度も漬物樽の寸法を確認されていたのだと合点しました。
願ってもないことに、同氏は これから「木樽でつくる漬物」を普及させたいと考えられているそうです。
美味しい漬物つくりに樽がお役に立てば、こんなに うれしいことはありません。
いつもは、酒樽を作っていますが、注文があると漬物樽(たる)も作ります。
写真は一斗漬物樽(たる)と九升漬物樽(たる)を入れ子にした物です。
吉野杉の良質な板目材で作っております。柾目で作ると最初はきれいですが、
木目から水分が出ていってしまい、漬物には向きません。
長く貯蔵する容器には柾目ではなく、板目を用います。
漬物や味噌にプラスチックや陶器を使うと野菜や糠床、味噌が呼吸出来なくて窒息してしまいます。
漬物の本などにも木製の漬物樽(たる)は現在入手は無理などと書かれています。
「たるや竹十」では毎日、吉野杉の樽(たる)を作っているのだけれど・・・・・・・・
酒樽屋の隣町に住むH夫人の漬物小屋(都市部でこんな空間を持つ贅沢!なんと井戸まで完備)には、
先祖代々伝わる、名物糠床がありました。
「たるや竹十」も、この糠床をお裾分けしてもらっておりました。
ところが、数十年愛用の漬物樽が傷んでしまったので、ある朝、H夫人は手近にあったプラスチック樽に替えてしまったのです。
結果は火を見るより明らか。伝来の名物糠床をダメにしてしまいました。
<

漬物樽にプラスチックの容器を用いると、こんな悲惨な事態になります。
しかも、漬物から出る塩分がプラスチックを溶かしたり、夏冬の温度変化で漬物樽が割れたりします。
また、木製の漬物樽の中でも柾目のものは過剰に水分が流出して長期保存には適していませんし、
人工樹脂でコーティングしたものは一見きれいですが、呼吸出来ないので木製樽の効果はありません。
たるや竹十製酒樽の一空樽(一度、酒樽に使った物の蓋を抜いて漬物樽に転用した)
H夫人の糠床ですが、
心機一転、「たるや竹十」に二斗漬物樽を依頼され、新たに昔のものより美味しいものを作成されました。
柔なことで挫ける下町のH夫人ではありませんでした。
これは昭和53年に保育社から刊行されたカラーブックス。人気だったシリーズの一冊です。
この表紙の写真を見た時、酒樽屋は愕然としました。
恐らく、どこかの酒蔵から入手した大桶でしょうが、ビニールで覆われています。
たいへん、気になるのが大桶に敷かれた、このビニールです。
吉野杉の大桶は呼吸しています。木製漬物樽もしかりです。
ビニールを敷かれると窒息します。
これでは、折角貴重な大桶を使ってもプラスチック容器に漬け込んでいるのと同じです。
プラスチック樽は呼吸しません。
日本のように湿気の変化の多い地域では四季の温度湿度の変化に合わせて木樽が動き、
天然乳酸菌の発酵に最適の調整がおのずと成されます。
木樽という自然素材ならではの環境変化への適応作用です。
昭和30年代に石油製品が普及し、老舗の漬物屋さんでもビニール袋を木製の
漬物樽に使うようになりました。樽屋にとっては考えられない程、不思議な行為です。
何故、折角の木製漬物樽にビニールを敷く理由を機会があれば漬物屋さんたちに訊いてみたいと思っています。
是非、漬物樽はビニール等を敷かないで使って頂きたいと樽屋は常々願っています。
ФФ写真のカラーブックスは版元倒産のため現時点では絶版・入手不可。現在の保育社は再建された別会社。ここではこの「つけもの」のようなマイナーな出版物の再版は困難。
漬物樽や味噌樽には、木製の樽が発酵に最適であるという事はすこしずつ理解されてきました。しかし、長期保存には板目の樽が一番適しているということを、皆さん忘れてしまっておられるようです。
柾目は短期間の使用を繰り返す風呂桶や寿司半切、お櫃(ひつ)などに適しています。
柾目の杉を漬物樽に用いますと、必要以上に柔らかい春目の細胞から水分が過剰に排出し、漬物樽には適しません。
樽は板目、桶は柾目であるという事が基本ですが、長期保存用のような場合は例外もあります。
例えば一昨日、紹介した大桶がそうです。桶という呼び名ですが厚い板目材を用いております。
漬物には板目の漬物樽(たる)を お使いいただくのが理に適っているという訳です。
写真 喜多章
三月になりましたが、まだまだ寒い日が続きます。
某日、京都のさる塔頭から沢庵を漬けたいからと四斗漬物樽二丁の依頼がありました。
電話でご注文をいただいたのですが、その折に「ところで四斗で大根が何本位漬けられるのですか」という質問を受けました。
樽屋のおやかたは沢庵を漬けた経験がありません。
大根を縦に突っ込んだ様子を想像して、「多分、10本くらいでしょう」と答えたら、呆れられ「ああ、もう(質問の答えは)結構ですから、漬物樽をよろしくお願いします」と言われてしまいました。
樽屋の女房に訊いても全然知らないとのこと。
慌てて近所のご婦人方に尋ねに行くと、即座に答えが返ってきました。
一斗樽で20本、二斗樽で50本、四斗樽で80本くらい。持ち運びする事も考えれば二斗樽が一番、と教えてもらいました。
お陰で最近は、お客様に尋ねられても即座に答えられるようになりました。
沢庵は大徳寺の澤庵 宗彭が考案したという説もありますが、単に「たくわえ漬け」が転じたものでしょう。
ところで、食堂などで沢庵(おこうこ或いはおしんこ)が出てくる時、必ず二切れです。
これは一切れでは「人斬れ」三切れでは「身斬れ」を思わせ縁起が悪いので二切れなのだそうです。
写真は漬物樽ですが、味噌樽として使う事も出来ます。
味噌樽は本来、容量に対して空気に触れる部分を最小にするために、もっと細長い形状をしている物です。
あくまで代替品として使うので、本物には負けます。ただ、プラスチックや琺瑯、陶器の味噌樽に比べるとずっと美味しい物が出来るでしょう。
漬物樽は蓋(ふた)がないので、作るのが簡単に思われるでしょうが、蓋がないという事は一番上の箍(たが)を支える事が出来ないので、その力加減に苦慮します。
酒樽は蓋から酒が漏れないように作らねばなりませんが、箍(たが)を強く締め過ぎても蓋(ふた)が支えてくれるので木樽が壊れる事はありません。
また、長い期間の貯蔵に耐えるため酒樽よりも強度の高い材料を使用しなければならないのです。
味噌樽以外にも醤油を醸造したり、貯水槽として使ったり、一番利用範囲の多い木樽です。
京都 錦の漬物店 高倉屋さんの店先です。
高倉屋さんが使っている漬物樽は殆どが「たるや竹十」製です。
一日に百人以上の方が、この光景をカメラにおさめて行かれるそうで、
漬物樽たちも毎日、恥ずかしい事でしょうね。
この日は納めた漬物樽の様子を見に行っただけなのですが、水茄子の漬物を頂戴して、恐縮する。
高倉屋さんの漬物は、二十四気節に準じていて、どれをとっても、まことに美味。
春
一月 : 立春(2月4日)- 雨水(2月19日)
二月 : 啓蟄(3月6日)- 春分(3月21日)
三月 : 清明(4月5日)- 穀雨(4月20日)
夏
四月 : 立夏(5月5日)- 小満(5月21日)
五月 : 芒種(6月6日)- 夏至(6月21日)
六月 : 小暑(7月7日)- 大暑(7月23日)
秋
七月 : 立秋(8月7日)- 処暑(8月23日)
八月 : 白露(9月8日)- 秋分(9月23日)
九月 : 寒露(10月8日)- 霜降(10月23日)
冬
十月 : 立冬(11月7日)- 小雪(11月22日)
十一月 : 大雪(12月7日)- 冬至(12月22日)
十二月 : 小寒(1月5日)- 大寒(1月20日)
今は、大暑過ぎたところ、土用の真ん中、暑くて当然ですね。
酒だる屋は「酒だる」をつくる合間に「漬物だる」や「味噌だる」もつくります。
「漬物だる」は蓋が嵌め込まれていないので、「酒だる」よりも制作が容易なように見えますが、実は蓋を組み込まないという事は入れるタガの強さや、周囲の樽材に鉋(かんな)をかける際の角度をより正確にしておかないと、変形した漬物だるや味噌だるが出来上がってしまいます。
箍(タガ)は強ければ良いというものではないのです。
「漬物だる」は「酒だる」よりも、ある意味では高度な技術を要します。
もう一点、「酒だる」は一度きりの輸送容器ですが、「漬物だる」は数十年使用する貯蔵容器ですから、材料も厳選しなければなりません。
尚、「漬物だる」を使う場合に漬物石を使うための「押し蓋(おしぶた)」又の名を「中蓋(なかぶた)を使う場合と蓋(ふた)は一切使わない二種の方法があり、
また最近は衛生上、ほこりや虫が糠(ぬか)に入らないように「上蓋(うわぶた)」を使う傾向があります。(写真は上蓋・うわぶた)
「漬物だる」には必ず蓋が一枚付いていますので、どちらかを選ぶことができます。
更に、この上を和紙でくるんで密封しつつ、空気の流通を良くしたりもします。
ラップ等のビニール類は糠(ぬか)が窒息するので、絶対に使わないで下さい。
専門の漬物屋さんに於ける漬物だるの使用例です。
両端の二丁の漬物だるは四斗だるですが、真ん中の背の低いものは酒だるの中の「ハンダルセット」と称す、上半分の物を再利用しています。
仕事柄、工房内の湿気が高く、更に水の使用量も多いので、どうしてもタガの伊丹が一般家庭より早くなっています。
押しぶたを使う場合、その上に漬物石を置く場合、蓋(ふた)を一切使わない場合など、使用用途によって、さまざまです。
共通する点は専門家は(上蓋うわぶた)は使わないという点です。
先々代が納めた漬物樽(つけものだる)のその後を追跡してまいりました。
三つ共、現役で活躍している事を確認して、安心しました。
一番下の「泣き輪」が欠損していましたが、これは漬物を作るのに支障のない箍(タガ)です。
樽太鼓でも漬物樽でも、よく抜けたり腐ったりし易い物ですが、力がかかっていない箍(タガ)なので、気にする事はありません。
画像の通り、正面は糠漬用の漬物樽(つけものだる)、左に少し見えている方は塩漬用の漬物樽(つけものだる)です。
余程保管がよかったのでしょう、箍(たが)が美しい飴色に変化しています。漬物樽(つけものだる)としては一番良い時期です。
もう一つ予備の漬物樽もありました。
どの漬物だるも一斗樽(18リットル)ですが、樽(たる)そのものは同じ物なので味噌も含め何にでも使える訳です。
後ろに見えている物は正式な味噌樽(みそだる)
近所の河原で拾って来たという漆黒の漬物石に風情を感じます。
京都に住む古い友人でニット作家の山田さきこさんが二条の加藤順漬物店の千枚漬、志ば漬、そして筍の漬物をお土産に遊びに来ました。
木製の漬物樽(つけものだる)を使っているかどうかは知りませんが、まことに美味でしたので、きっと杉樽(すぎだる)を使っていると想像されます。
加藤順漬物店案内 曰く、『昔のお漬物は、塩蔵して永く保存し、 月日の経つにつれて自然に塩分の濃度により、 醗酵して味がつきました。その味を大切にしながら、 うす味で種々の野菜に味を加えるようになったのが現在の京漬物です。 「関西に行ったら、京都でのおみやげとお食事はお漬物で」と ご指名される方が大変多くなって参りました。食べておいしい、見て美しい京のお漬物の中で 最もしたしまれていますのが、千枚漬けをはじめ、菜の花漬け、志ば漬、すぐき、日の菜漬等です。 特に製法は、弊店独特のなつかしい京の味を心ゆくまで楽しんでいただけます様吟味しております。 季節ごとに風味と風格を示す、京のお漬物をどうぞ心ゆくまでご賞味下さい。』
ちりめん菜の花漬が有名です。
加藤順漬物店
京都市左京区二条大橋東三筋目北側
電話 075-771-2302
これは、日本ではなく北フランスの光景です。
どこの国でも木樽は年々減って来て石油を原料とした化学物質製の容器が99%を占めるようになりました。
この容器は草入れに使っていますが、余りに大量に入れたためと経年による劣化のために
側面が割れて来ております。ますます亀裂は広がって、爆発するのは時間の問題でしょう。
こういった人工樹脂による容器は安価で扱いも簡単なので1970年頃から急速に普及した事は皆さんの家の中にある各種容器をご覧になればお判りかと思います。
ただ、その反面、どの町にもあった桶屋さんが壊滅状態になり、樽屋も需要が激減しました。
また外材に押されて内材が売れないものですから日本の森林も手入れをしないものですから、
荒れ放題になってしまいました。
竹もしかりです。
今頃になって、昔の方がよかったから元に戻せと言われても、手遅れです。
職人もいなくなり、技術の伝承もされることなく消えてしまいました。
「たるや竹十」では、古い資料を参考にして昔の製法を復元し、材料は各地の業者の協力のもとに良質の木樽を作るよう心がけております。
「長崎の食事」日本の食生活全集 (42) 日本の食生活全集長崎編集委員会より
漬物樽も味噌樽も木製の、昔ながらの技法で作った樽(たる)を使えば、醗酵もうまく進んで、必ず美味しい漬物や味噌が出来ます。
もう木の樽は手に入らないと思って、壷や琺瑯(ほうろう)で漬物、味噌を作られている方も多いとききますが、樽屋としては残念なこと。
壷や琺瑯(ほうろう)では通気性がほとんどなく中味が呼吸出来ないので、過剰な水分を外に出す事も、新鮮な空気を中に入れる事も出来ません。プラスチックのように塩分と化合して、容器の成分が溶解してくるよりは良いかも知れません。
このところ、木の樽に目を留めてくださる方々も増えはじめ、うれしいことです。
五島列島の「かんころつくり」
左側に見える物は正直台のような台鉋(かんな)で、これで芋をスライスするようです。
樽(タル)屋は3種類の長さの榑(クレ)を使用して3種類の木樽(タル)を作ります。
最近は小さい木樽(タル)の需要が増えて長さ9寸(約29.33333333333333.......㎝)を
利用した木樽(タル)即ち五升樽(タル)を作る機会が多くなりました。
一斗樽(タル)の半分の容量です。
赤鉛筆と比べると、その小ささが判ると思います。
これ以上小さな樽(たる)と逆に高さが一尺八寸(約59.99999999999999..........㎝)の物は桶(おけ)屋さんの仕事になります。
ただし、作った樽(たる)を短く切って、四寸(約13,333,333,33333.....㎝)や三寸(約9.99999999999999999999999999999......㎝)等、背の低い樽は製作可能です。
直径に限界があるだけです。
今回は東京郊外の方の御要望により、一斗樽(タル)と五升樽(タル)の中間の大きさの木樽(タル)を作りました。
昔から使っていた樽(たる)が寿命で使えなくなり、同じ大きさの物が必要になったのです。
写真は左から一斗樽(たる)太鼓、今回の中間の寸法の樽(たる)太鼓、五升樽(たる)の三種。
右端の五升樽(たる)のみ酒樽(たる)です。
調べてみますと、この大きさは昭和50年頃まで奈良漬用の樽(たる)として全国に進物用に出荷していた寸法です。
今では、こんなに沢山の奈良漬を食べる機会が少なくなったので製造を中断しています。
どこの菜園でも「キュウリ」が沢山実って、急いで漬物樽(タル)を送って欲しいという依頼が多く続きます。
丁度、六月は酒樽の注文が少ないため、一斗の漬物樽を沢山作り置きしていましたから、
当日か、宅急便の都合で翌日には、お届け出来ます。
胡瓜
Cucumis Sativus 学名のSativusは「耕作の」の意、Cucumisは「うり」の意。
北インド原産、10世紀に日本に渡来するも食品としては余り普及せず、
江戸では寛政年間(1789~1800)から,都では聖護院で天保年間(1830~1843)ころから栽培。
西洋では古代ギリシャ時代から栽培が行われていたもよう。
漢名 胡瓜 黄瓜
独名 Gurke
英名 Cucumber
仏名 Concombre
長らく入院していたパソコンがOSを新たにして、帰って来ました。
季節はすっかり秋です。
十月も半ば、杉枡や漬物樽、味噌樽の注文が増えて来ました。
特に野菜の収穫期には漬物樽の依頼が毎日のようにあります。
味噌樽作りは漬物樽を作るより難しく、漬物樽作りも酒樽より技術を要します。
一見、酒樽が一番難しそうですが、そうではないのです。
どこが違うのか説明すると長くなるので、またの機会に譲りますけれど、
とにかく漬物樽と味噌樽は長期保存に耐えなければなりませんが、
酒樽は一回切りという大きな違いがあります。
漬物樽や味噌樽を作っていて一番嬉しいのは、御礼のメールやFAXを頂いた時です。
最近、感動的なメールを頂いたので、ご本人の了解を得て転載致します。
秋に漬け物樽を注文した者です。
京都の実家の木樽が壊れ、母がプラスチックで新調しようとしていたのですが、
どうしても呼吸をする木の魅力を残したくて私(北海道在住の娘です)が
こちらで探して注文させて戴いた次第でした。
最初はどれだけ違うのか分からずに今年も大根を
漬けてみたのですが、今年の出来は格別でした!
年末年始にみんなで集まったのですが、
幼稚園の孫は漬け物とご飯ばかりおかわりするほど
美味しかった様子でした。
手間のかかっている物をみんなで囲んで食べるのは
何ともみんな幸せな感じがしました。ありがとうございました。
話はこちら北海道に変わりますが、ここでも樽を作っている方がいます。
以前富良野に住んでおり、麓郷という所の職人さんから購入した事があります。
ドラマ「北の国から」の土地ですが、本当に小さな町です。
70歳代であろうご主人がそこのオンコ(イチイ)の木を使って
一つずつ丁寧に作っておられました。
とてもあたたかなご主人とお話しながら、奥様の作った自家製味噌を
味見させてもらい、作り方まで教えてもらいました。
汗かきの赤ちゃんに綿100%の肌着を着せてあげるように
発酵食品には木がぴったりだな、と感じました。
ただ、残念なのは後継者がいないというお話でした。
全国にあまりないのかな、と思っていたのですが、
インターネットでみるとこうしてしっかり作っておられる方がいて
とても嬉しくなりました。
樽での漬け物や味噌づくりはゆっくり長年かけてうまくなろうと
思っています。たるや竹十さんのご活躍これからも応援しています。
こんなメールを頂くと夜なべの疲れもすっかり無くなってしまいます。
全国各地にあった桶屋さんが、どんどん消えていくのは寂しい限りです。
富良野近郊の桶屋さんは今もお元気そうなのでうれしく思いました。