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道具 アーカイブ

2006年05月03日

杉樽に酒を詰める道具

以前、杉樽に清酒を詰める為の道具を紹介しましたが、現在使われているのはステンレス製、その前はアルミ製。戦前までは江戸以来のこんな木桶を使用していました。
素材は変わりましたが、現在でも杉樽には必需品です。
名称は、やはり「詰漏斗」でした。

 
左端は現役!右端は某記念館の展示品。展示品は乾燥して隙間だらけになっています。
樽や桶にとって空調は天敵なのです。勿論、直射日光と風にも弱いのです。

ところで、問題児キースは、その後、順調に回復。
5月27日のバルセロナ公演から始まるユーロツアーは予定通り開催されます。

2006年06月19日

酒樽(さかだる)漬物樽(つけものたる)や味噌樽(みそたる)の材料

これは「木割り包丁」という、刃に丸みの付いた専用の道具。

下の写真が「木割り包丁」で樽丸を作っているところです。
酒樽(さかだる)漬物樽(つけものたる)や味噌樽(みそたる)あるいは樽太鼓(たるたいこ)を作る杉材を樽丸と呼びます。

白いチョークは吉野の木材市場で競り落とした落札者記号。
刻印は出品した業者の屋号。
この木口(断面)を見て、原木の中身を判断しなければなりません。
刻印から、どの山の木かも分かります。

例えば「○に北又」とあれば、その原木は吉野の山林王、北村又左衛門氏の刻印。即ち北村林業の出品。
この業界では最高のブランドに位置します。
樽丸で発展してきた吉野林業ですが、現在では殆どが建築材に用いられる様になりました。

2008年04月08日

樽屋の道具 其の伍

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「いれぎわ」とも或は「入りカンナ」とも呼びます。
桶屋に言わせると、彼らの道具だそうで、樽屋はあまり使いません。
「たるや竹十」では 仕上げの時など手が届かない所を削るために使います。

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2008年07月25日

西宮市に保存されている酒樽作り、桶作りの道具の数々

oke-taru.JPG 白鹿記念酒造博物館蔵(写真も同館資料より)

西宮市にある財団法人白鹿記念酒造博物館には奈良県に先駆けて酒樽と桶をつくるための道具が保存されている。
その使用法の記録とともに大切に保存すべき貴重な民俗文化財である。
西宮市教育委員会が一冊の資料集として調査編集し上梓している。

この酒造り用桶および、酒樽作りの道具類は、西宮の辰馬本家酒造専属の桶師名川氏と同社製樽部で使用していたもので、全ての道具は揃っていないものの、さまざまな醸造用桶類や清酒の運搬および容器としての酒樽を作るために、江戸期から昭和四十年代まで実際に使用されて来た貴重な財産である。
西宮に限らず各酒蔵では大小さまざまな桶類を使用するため、桶製作用道具の種類も当然多岐にわたり、
側板を削るための正直台が何本も、各種銑類や大小の鉋類、箍を叩く締木類等々が保存されている。
それぞれの用途に応じた工夫が職人の手によりなされている所が興味深い。
近年、木製の桶に代わり琺瑯やステンレスなどのものが多く使用されるようになって、昭和初期には同社だけで二十五人もいたという桶師も最近、最後の一人であった名川氏が引退してしまった事はまことに残念である。

輸送容器としての酒樽だけは数量は減ったものの、途絶える事なく今も製造が続いている。

2008年08月08日

酒樽屋の黄金バット(GOLDEN BAT)

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この夏も西宮の甲子園球場では全国高校野球選手権記念大会が催されて球音が響き、
また、今日が開会式の北京奥林匹克运动会では日本の野球チームが黄金のメダルを目指しているそうで、世間は気温以上に熱くなっているようですが、
酒樽屋にも年季が入ったバットが何本かあるのです。

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「叩き棒」といって、酒樽の枠が出来た後、底板を、これで叩き込みます。
所定の場所にあらかじめ溝を切っておき、その溝に底をはめ込む簡略な方法も近年、普及してきましたが、「たるや竹十」では昔ながらの手法で底板を程よい位置に水平に収めます。

接着剤も何も使わず、杉のしなやかさ、柔らかさ を利用して、底の部分を箍(たが)で締め付けることにより、液体を漏らさない木樽をつくることが出来る訳です。
容量にも関係してきますので「叩き棒」の叩き加減も重要な要素となります。
棒の途中に見える溝は、「このあたりまで」を示す、おおよその印です。
「叩き棒」で深さの見当を付け、この後にゲージで深さをチェックし、正確な容量の木樽を作ります。

一番上の写真に見える「叩き棒」は下から四斗(72ℓ)用、二斗(36ℓ)用、一斗(18ℓ)以下用

野球のBATと蝙蝠(こうもり)のBATが同じ綴りなのも奇妙な縁ですが、語源は全く違うそうです。

2008年08月28日

酒樽屋の道具 其の陸

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昨日、紹介しましたスコットランドのモルト樽の蓋(ふた)が何故,何枚も保管されているのかといいますと、これらは樫で出来ておりますから、まことに硬く、酒樽作りの道具を拵えるのには、これほど相応しいものはないのです。
電動丸鋸で切断する時、鉄を切る時のように煙を出して断面は完全に焦げている程です。

写真は酒樽の箍(たが)を木槌で締める時に左手に持つ「締め木」
酒樽の大きさに応じて大小のものを揃えておきます。
鏡開きの際にも使うので、蔵元の営業の方々は必ず持っていたものでした。

ものづくりは先ず道具作りからはじまるのです。


2008年10月17日

酒樽屋の道具 其の漆

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仮輪と言います。
酒樽(さかだる)を作る際、竹の箍(タガ)を入れる前に同じような竹の輪を補強したものを用いて、大きさを決定し、形を整えます。

最近は強度があるので鉄の輪を使う事が多くなりました。
底の径を決める薄い鋼の輪は鉄なのに何故か「しんちゅう」と呼びます。

金属の輪でも数ヶ月に一本は切れてしまいます。
竹は横の力は材木より弱いのですが、引っぱりの強度は鉄を上回るのだそうです。

中国では現在でも建築用の足場に竹を使っている程です。
この場合は竹の持つ「しなやかさ」も重要な要素なのでしょう。

2009年01月16日

酒樽屋の道具 其の拾

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樽屋では余り使わない「南京鉋(かんな)」です。
元来、桶屋の道具です。
洋樽屋さんや家具屋さんでも使います。
ですから、樽屋が使う道具の中では唯一、市販されており未だ新品が手に入る物です。

底や蓋(ふた)の周囲を銑(せん)の代りに、これを使って丸く削ります。
銑(せん)よりも容易に使え、便利なので「たるや竹十」でも時々使います。
「大田」という焼印が見えますが、これは私の師匠から形見に頂いた物です。
近所に住まわれていて、よく教えを請いに通っていた大田金蔵さんが
「俺が死んだら、おまえが使え」と言って生前に譲渡を約束して下さっていた品物です。
良い道具は、こうして代々受け継がれて行くもので、大切に使わなければなりません。
残念ながら、道具は譲ってもらいましたが、大田さんから、その技術の全てを学ぶ前に亡くなられてしまいました。
本当に譲ってもらいたかったのは、その技術の方です。

2011年01月28日

酒樽(さかだる)を作る道具 ささら

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竹がこのような形になった事を「ささら」と呼ぶ説もあれば、
稲穂が触れる音だと言う人もいます。
どちらにせよ、中華鍋を洗う時に使う事で良く知られている道具です。
樽屋(たるや)は、これを箍(たが)の「もとうち」という作業の仕上げに用います。
もっぱら、樽職人の助手が暇な折りに余った竹の株を細く割って作って置きます。

2013年10月28日

酒樽(サカダル)完成後に使っていた三ツ目錐(きり)

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酒樽(さかだる)を作ると酒を容れる所と出す所が必要になります。
現在は下の写真の電気ドリル、少し前だと手回しドリルを使っていましたが、
この「三ツ目錐(きり)」の時代が非常に長かった様で昭和の最後まで使っていました。
この道具は樽作りだけではなく「穴」をあける際の大工道具ではなかったかのと想像します。

われわれの業界では樽屋よりも小売りの酒屋さん、造り酒屋の必需品でした。
大小2種あります。直径六分(約18ミリ)と八分(約24ミリ)、その他に天星の穴用もありました。

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いまでは、こんな電気道具が主流です。こちらの方が綺麗に切れるので仕方がありません。
三ツ目錐は頻繁に研がねばならず、うまく使いこなすには熟練を要しました。
樽(たる)を作る工程で最後に使う道具です。

2013年11月24日

樽(たる)作りは道具作りからはじまる

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何でも、物づくりは道具づくりからはじまります。
和樽(たる)をつくる道具は総じて樫等の堅い木を使うのですが、あると重宝するのが鉄の「玄能」です。
正式には「玄翁」と書き、「玉藻前伝説」に由来します。

狐が化けて鳥羽上皇の寵愛を一身に受けていたところ、某陰陽師にその姿を見破られ、今度は堅い石に変身して身を守ろうとし誰も手が出せなく困っていた時に曹洞宗の和尚、玄翁さんが現れ大きな槌で石を砕いたという伝説。

ところで現代では「玄翁」どころか金槌を使う大工さんが激減。
どこに行っても売っていないので新調しました。(先日来たMAC TOOLSの車の中はプラスチックの反動ハンマーしかなかった、あとは鉄ハンマー、訳せば「玄能」)
この世界も奥深く「ヒシ貫」こと長谷川重郷作、「丸増」こと相田浩樹作など在銘の高級品がずらり。
それでも気に入った槌がなく特注!!!!!!!!

恥ずかしながら、今まで「玄能」は両方に打面がある槌だとしか知らなかったのですが、
片面は平面だけど、裏面は僅かに曲面が上がっていて締め打に使うとか。
和樽(たる)つくりに釘打は必要ないので(押し蓋の持ち手を除く)両方が平面の竹十用特製。

写真では一番上が量産品(若干軽いので小さい樽を作る時でも頼りない)比べると見るからに悪そうだけど、値段は安くないんです。柄の材も悪くクリアラッカー仕上げが致命的。
真ん中が長年愛用している使い具合の良い昔の玄能。ただ柄が折れたので短く応急処置中。
下が特注品、未だ柄は付けていない。見るからに良さそう。いい仕事が出来そうな気がする。

2014年06月06日

酒だる道具と椿油

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今年も早や芒種であります。椿の種はいつ蒔くのか知りませんが、椿油の話です。
酒だると椿油は何の関係もないように思えますが、
実は樽(たる)を拵える工程上で必需品なのです。
樽(たる)に限らず鉋(かんな)など木工用の道具は主に樫や桜などの固い材料で出来ています。
道具を長持ちさせるためと加工時にすべりを良くする目的で道具に油を染み込ませます。
酒だる製作の際に石油系の機械油を使う訳にはいきません。
樽屋竹十では兄弟子の先達が食用油なら問題ないだろうと「サラダ油」を流用しておりました。
この油は粘ついて埃も付くし、決して滑りが良くなる訳でもなく、余り良くないのです。
どこかで先達が「食用」なら問題ないだろうと勘違いしたのでしょう。どこの家庭にもありますし。安価です。サラダ油でダメならテンプラ油はもっと向いていないし、オリーブオイル、菜種油と探しても何が良いのか判断出来ず困り果てて、ホームセンターやネットに押されて、最近とみに減って来た「町の金物屋さん」明治創業の「赤松金物」に相談に行ったら、「木工用の油は昔から椿油だよ」と迷わず出して来てくれました。
DIYの大型店も便利ですが店員に知識がありませんし、我々が必要とする特殊な商品は置いていません。どの分野でも町に一軒は専門店が必要です。
その問題は別の機会にして、今日から道具に椿油を塗り快適に作業しています。
椿油は本来、女性用の整髪料として有名ですが、思っていた程の匂いはないし、
木工道具用としても最適でした。私が知らなかっただけの様です。


たるや 竹十

  • たるや 竹十



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