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2011年08月 アーカイブ

2011年08月13日

酒樽屋の盆休み

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震災以降、東北の桶屋さんが休業あるいは廃業せざるを得なくなったので、
従来の御客様以外に北日本からの木製樽の注文も受け入れる状況が続き、一ヶ月以上も
blogの更新が出来ませんでした。
樽が完成しても輸送が不可能で、地震から約100日後の今頃ようやく輸送状態も元に戻って来ました。
出来上がった杉樽をトラックが動くまで大量に保管しておく事にも苦慮致しました。

西瓜の美味しい夏であります。昔のように切らずに丸ごと売っている店も少なくなりましたし、家族も少なくなり、井戸のある家も珍しく、冷蔵庫に入れるにも限度がありますが、
西瓜はやはり、切売りより真ん丸の方が風情があります。

酒樽屋も今日から短い盆休みです。

金色の 仏壇のある 海の家     小澤 實

2011年08月18日

木製樽に竹タガを巻くのも容易ではない

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殆どの木製の杉樽にはマダケ(真竹)を割って、削り「輪竹」という物を作り、
これを周囲に巻くというより、編むに近い「結う」という工程を経て竹箍(タガ)をこしらえます。
ただ、夏の時期には竹を伐るべきではなく、既に去年の冬に薮から伐り出して来た竹を使います。
この一年分の大量の竹の管理が容易ではなく、日に当てて褪色させたり、硬化させてもいけないし、さりとて大事に奥の方へ仕舞い込むとカビが発生したり、腐ったりします。

写真の竹は質が悪くなって結う折や締める際に切れてしまった破片の山です。
これも知人のイタリア人の手に渡り、別の用途に使われます。
竹は油分を多量に含んでいるので燃やすと相当な高温になりますが、直ぐに消えてしまいます。

2011年08月19日

宙に浮く四斗樽(たる)

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宙に浮く程、たくさんの四斗樽が樽屋の前に並んでおります。
一度使用した酒樽を一空樽(いちあきだる)と呼びます。
かつては大手の蔵元が一度使った樽を「樽屋竹十」が手直しして、
中小の造り酒屋へ納められて、リユースされていた訳です。

最近、また一空樽の流通が活発になってきて、中古の酒樽を廉価にて
提供出来るようになりました。
買い取って来たままの現状渡しが一番安くいのですが、傷みも早くなります。
よく樽を乾燥させてから、竹のタガを層替えすれば新品同様になりますけれど、
それなりの価格になってしまいます。

アルコールがしみ込んで,灰汁抜きも完了している訳ですから、
当日から漬物や味噌をつくる事が出来るという即戦力と価格が魅力です。


2011年08月23日

酒樽屋の油売り

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心なしか暑さも和らいで来た気も致します。

本日は処暑なり。収穫期でもあります。

偶然ながら、同じ日が油の日でもあります。
かつて大山崎で長い木を使って油を搾る技術を考案した日だそうです。
旧歴だから、年によっては8月20日になったりもします。
写真は1000年以上前に九州から分かれて建立された離宮八幡宮で、
油の神様にされています。


写真の関大明神は摂津の国と山城の国の境で関所があった名残です。
また、この北側に「大筑波集」で有名な山崎宗艦の旧宅跡の碑が建っておます。
宗艦はここ山崎の竹を伐って京まで油を売りに行っていたといいます。
当時の油は荏胡麻油で、最近ではコレステロールが少ないよいう理由から、
食用として脚光をあびていますが、
昔は灘の菜種油と同様に行灯等を灯すために照明に用いられていました。


かつては樽屋竹十も、この付近の竹と右京区鳴滝の竹だけを使用しておりましたが、
今は伐採禁止になったので、六甲山の裏手の竹林へ伐りに行っています。

この付近一帯、現在はサントリーの蒸留所や大山崎山荘すなわち旧加賀正太郎邸、
後のアサヒビールの祖、山本為三郎邸の美術館をはじめ、
美術館に登る途中に建つ藤井厚二の聴竹庵妙喜庵待庵など、
風光明媚の故か新旧名建築が残っています。


     宵毎に都を出づる油売り ふけてのみ見る山崎の月  宗艦
                       七十一番 職人歌合せ

2011年08月29日

出来立ての「仙介」の菰巻き

灘五郷の泉酒造さんでは長らく「泉正宗」の菰を使っておりましたが、
練習の最終日に届いたばかりの新しい菰「仙介」が登場。
早速、師匠に手本を見せてもらった後、蔵人ふたりが飾樽を巻きます。
見事な亀甲巻が完成しました。

酒樽に菰を巻く練習の前に師匠の模範を見る 前編

先週実現した福寿の神戸酒心館と仙介の泉酒造、合同による、
酒樽菰巻き集中講座の仕上げに荷師であるO氏の完璧な技を全員で拝見しつつ、
DVDに残しておいて将来、菰巻きの技術が不明になった時の手本に、
樽屋竹十も含め3社で各自、動画を撮影しながら極秘の技術を披露して頂きました。

今回は先週三日連続で各自実際に菰巻きを練習した後ですから、
重要な箇所や難しい部分を仔細に見ることが出来ます。
反対側からも同時に撮影していたので、接近しての撮影は無理でしたので、
後日、改めて詳細は再録画致します。

酒樽に菰を巻く練習の前に師匠の模範を見る 後編

約20分で師匠の模範が完了しました。
見事な菰巻きの酒樽です。
指が入らないくらい固く縛っていますが、
力をかけるのは要所だけで、あとは案外軽く作業します。
本気で巻けば、もっと早い筈です。
出来上がった時には、思わず周囲の生徒達から歓声と拍手が。


2011年08月30日

木製樽太鼓(たるたいこ)を海外発送する

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忙しい合間に、随分前から予約を受けていた木製樽太鼓を、
最も検疫の厳しいオーストラリアへ発送しました。
9月のコンクールに間に合わなければ意味がないのです。

海外発送は全て空輸なので、国内と同じように
翌日か翌々日には現地に到着しているのですが、
通関に何週間もかかることが多いので、
湿気の多い日本から乾燥した欧米などに送る場合は
木製樽が乾いてしまわないか心配なのです。

予定よりも大きめの木製樽を作ってしまったので、
海外発送の料金が樽太鼓代に近くなってしまい、
大量の切手が必要になってしまいました。
もう少し軽い段ボールを使えば良かった。
EMSだから、まだ安い方なのです。

2011年08月31日

酒樽屋 吉野へ杉を買いに行く

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酒樽屋は酒樽ばかり作っている訳ではありません。
菰(こも)ばかり巻いているという状態は緊急事態だったからだけです。

普段は定期的に奈良県南部の吉野地方へ出かけます。

底にも蓋にも化学的接着剤を使わず、全ての材料を吉野杉で作っている樽屋竹十では、
常に良質の材料を定期的に確保するため、吉野地方の中でも酒樽に最適なを植林している、
川上村とその加工作業をしている麓の
吉野町上市へ、しばしば出かけます。

日本で一番、雨が多い山岳地域だからか神戸と比べて涼しいと感じた事はありません。
それでも昔に比べると道路も良くなって、気軽に日帰り出来るようになりました。

下の写真は見事に人口植林された吉野杉です。
これから何十年先が楽しみです。

普段から工場内はスギダラケ、杉に囲まれて仕事をしていますが、
さすが現地の杉林に出かけると本物の森林浴
明らかに気持ちがリフレッシュして帰ってまいります。

たるや 竹十

  • たるや 竹十



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