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2009年10月 アーカイブ

2009年10月01日

「日本酒」の日改め「酒の日」

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心無しか涼しくなってまいりました。
今日10月1日は「日本酒の日」だそうです。
全国各地でイベントがあり、多くの酒樽が鏡開されます。

日本の酒なのですから、「日本酒」等と媚びた呼び名にせず、
堂々と「酒」あるいは「清酒」と名乗ってもらいたいものです。
ビールをドイツ酒、シャンパンをフランス酒、テキーラをメキシコ酒と呼んでいるようなもので、少々恥ずかしい思いがします。
外国でも「サケ」で通用する訳ですから、早急に「日本酒」という奇妙な表現はやめましょう。

 酒という漢字を分解すると、水(癸)と酉で、ミヅのトリとは癸酉の意です。
 
 
「酉」は本来「酒を醸造する器(つぼ又はかめ)」を意味していますが、大きい意味では「樽(タル)」です。
「樽」のつくりである「尊」も「かめ」から来ているのですが、この話は別の機会に。
「酒」のさんずいは当然、酒造に不可欠の「水」ですけれど、「御津(水・蜜・密)の多留・
暦の10番目に位置することと、新米の収穫期であることから、この日が選ばれたそうです。
足る」でもあります。
「酒」に似た漢字に「配(くばる)」がありますが、
これを分解すると、酉(とり)と己(おのれ・ツチのトリ)になります。

 配(ハイ)とは己酉。
酉は酒壷を意味していますし、己は、そのカメに人が膝まずく姿の象形文字でもあります。
常に暦と連動して醸造を続けて来た名残でしょう。

どことなく、こじつけ気味の説明ですが、
白川静氏が亡くなられたので、詳しい事が判りません。
ちょうど新酒の季節ですし、日本のボジョレ・ヌーボーのような物だと思っておけば良いのでしょう。
この頃から清酒業界は一気に忙しくなるのです。

10月1日はウラジミール・ホロビッツや服部良一の誕生日でもあり、音楽的にも何か関わりがあるのかも。
確かに醗酵中の酒に心地よい音楽を聴かせると味が良くなると言われています。
近くの蔵元では醸造蔵の中でドリカムのCDを聴きながら仕事をしています。
出来上がった酒は、やはり若い味でした。因果関係を調べた訳ではありませんが。

2009年10月02日

木樽で作った吉野杉製の椅子

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酒樽や樽太鼓を作る時に底や側の組み合わせを少し変えれば、例えば写真のように背の高い椅子型仕様の樽(タル)が出来ます。
この度、そんな形の物を作って欲しいという依頼があったので、いくつか拵えました。

写真のうち、手前に見えるひとつだけ小さい物は普通の一斗の樽太鼓。
奥に見える小型の2個は五升の底と蓋(フタ)と二斗樽の側を組み合わせた物。
残りの7個が一斗樽の底と蓋(フタ)に二斗樽の側を組み合わせた物。

これらは椅子として作りましたが、変形樽太鼓として使えば面白いかも知れませんし、
あるいは店舗設計の際にディスプレイ樽として使う事も出来る訳です。

2009年10月16日

収穫の秋、漬物樽、味噌樽

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長らく入院していたパソコンがOSを新たにして、帰って来ました。
季節はすっかり秋です。
十月も半ば、杉枡や漬物樽、味噌樽の注文が増えて来ました。
特に野菜の収穫期には漬物樽の依頼が毎日のようにあります。

味噌樽作りは漬物樽を作るより難しく、漬物樽作りも酒樽より技術を要します。
一見、酒樽が一番難しそうですが、そうではないのです。
どこが違うのか説明すると長くなるので、またの機会に譲りますけれど、
とにかく漬物樽と味噌樽は長期保存に耐えなければなりませんが、
酒樽は一回切りという大きな違いがあります。
漬物樽や味噌樽を作っていて一番嬉しいのは、御礼のメールやFAXを頂いた時です。
最近、感動的なメールを頂いたので、ご本人の了解を得て転載致します。


秋に漬け物樽を注文した者です。
京都の実家の木樽が壊れ、母がプラスチックで新調しようとしていたのですが、
どうしても呼吸をする木の魅力を残したくて私(北海道在住の娘です)が
こちらで探して注文させて戴いた次第でした。

最初はどれだけ違うのか分からずに今年も大根を
漬けてみたのですが、今年の出来は格別でした!
年末年始にみんなで集まったのですが、
幼稚園の孫は漬け物とご飯ばかりおかわりするほど
美味しかった様子でした。
手間のかかっている物をみんなで囲んで食べるのは
何ともみんな幸せな感じがしました。ありがとうございました。


話はこちら北海道に変わりますが、ここでも樽を作っている方がいます。
以前富良野に住んでおり、麓郷という所の職人さんから購入した事があります。
ドラマ「北の国から」の土地ですが、本当に小さな町です。
70歳代であろうご主人がそこのオンコ(イチイ)の木を使って
一つずつ丁寧に作っておられました。
とてもあたたかなご主人とお話しながら、奥様の作った自家製味噌を
味見させてもらい、作り方まで教えてもらいました。
汗かきの赤ちゃんに綿100%の肌着を着せてあげるように
発酵食品には木がぴったりだな、と感じました。

ただ、残念なのは後継者がいないというお話でした。
全国にあまりないのかな、と思っていたのですが、
インターネットでみるとこうしてしっかり作っておられる方がいて
とても嬉しくなりました。
樽での漬け物や味噌づくりはゆっくり長年かけてうまくなろうと
思っています。たるや竹十さんのご活躍これからも応援しています。


こんなメールを頂くと夜なべの疲れもすっかり無くなってしまいます。
全国各地にあった桶屋さんが、どんどん消えていくのは寂しい限りです。
富良野近郊の桶屋さんは今もお元気そうなのでうれしく思いました。

2009年10月19日

酒樽(さかだる)における呑み口(のみくち)の立て方

これが出来ないと、いくら酒樽(さかだる)が目の前にあっても、
美味しい樽酒(たるざけ)を呑む事が出来ません。
「鏡開き」をするなら、このままでも樽酒(たるざけ)を呑む事は出来ます。
「鏡開き」の段取りに関しては、また別の機会に詳細を記述します。

*最初に用意する道具 

木槌(直径3センチから4センチ位)
清潔な布
小型のプライヤー
*よく切れるカッターナイフ(菰巻きに立てる場合のみ)

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上の写真が「呑み口」セットです。
①先ず、「呑み口」セットを写真のように二つにはずします。

正確には上の尖った物を「呑み」と呼び、ヒノキで出来ており、 下の赤い丸印の付いた円筒形の穴が貫通した物を「呑み口」と謂います。 これは桐の木で出来ていて、太さ(直径)から「八分」と「六分」の二種があります。


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②酒樽を寝かせます。
その時、写真のように木栓「ダボ」を上にしておきます。
酒樽をブロックなどでしっかり安定させます。
ブロックや木片などで酒樽の底部、または両側に置いて樽が転ばないようにします。
さらに寝かした樽の、床に接している部分に木槌を挟み込んで、樽の上部を水平にします。
このように丸い酒樽を動かないようにし、また水平にすることで作業がやり易くなり、きれいに仕上がります。

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③木製栓「ダボ」をプライヤーで挟みます。
プライヤーを注意深く動かしながら緩めて行き、最後に完全に抜きます。
ダボ穴周辺は酒で濡れ易いので、その際に溢れた酒を清潔な布で拭き取ります。
この工程を怠ると黴の発生原因となります。

本来の抜き方は、小槌の柄の先を利用して左右に少しずつ叩き、緩んだ頃合いを見て、手で掴み抜くのですが、プライヤーで挟む方が簡単です。


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抜いた「ダボ」は後で酒樽を漬物樽や樽太鼓等に再利用する際には必要になりますので、失わないないようにします。
因みに「ダボ」も昔は杉の芯材で作りましたが、滲みにくいという利点から、今は高野槙が主流です。地方によっては「腹星(はらぼし)」とも呼びます。


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④先に準備していた呑み口の赤い印の入った方を、開いた穴に木槌で軽く垂直に叩き込みます。

余り強く叩くと酒樽の穴が割れて洩れの原因になりますので、ゆる過ぎるかなと思われる位が程よい強さです。
緩ければ更に叩けば良いのですが、強過ぎると割れてしまった酒樽の穴は元には戻りません。
この力加減が「呑み口立て」の中で最も重要なポイントです。

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❸菰(こも)が巻かれている場合は縄に結んでいる赤い紙を目印にして、その下部にある「ダボ」を探り、木槌の柄などを使って菰を左右に押し開き空間を作ります。

「ダボ」が酒樽の正面に来ている場合は、「ダボ」のある部分をカッターナイフで四角い小窓のように菰を小さく切り取って、その部分から裸樽の場合と同じように「ダボ」を抜きます。

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❹裸樽の場合のように、呑み口を軽く叩き込みます。この時も細心の注意が必要です。
歪まないよう垂直に数回に分けて叩きます。

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⑤「呑み口」セットの残った方の先が尖った「呑み」をそっと「呑み口」に差し込みます。
この時は道具を使いません。少し緩めに差し込むだけで、木と木が密着するため手の力で充分なのです。
決して、木槌を使わないで下さい。湿気を含むと後で抜けなくなりますから。


これで「呑み口」を立てる事が出来ました。


後は酒樽を元のように縦に起こし、適度な高さの台に乗せ、必ず「片口」のような大きめの容器に一旦、酒を酌んでから盃やぐい呑み、桝など好みの器に移します。
台に乗せるかわりに、机のような所に酒樽を置き「片口」を机の下に持ち、流れ出る酒を受け取るという方法もあります。
「片口」が見近にない場合は、趣は無くなるものの中位のボゥルで代用することも可能です。

なお、一度立てた「呑み口」は決して抜かないで下さい。 水道の蛇口等と違い、酒樽の「呑み口」は少しずつ緩めて、加減を見つつ隙間から酒を出す道具です。 抜いてしまうと、酒樽から勢いよく酒が吹き出してしまいます。 何らかの不具合から酒が出にくい時は酒樽の蓋に錐(キリ)で小さな空気穴を開ける場合もあります。


トクットクッと「呑み口」から注がれる樽酒。
一段と清酒の美味しい季節になってまいりました。

2009年10月20日

酒樽屋のお八つ  その弐拾陸 シュウクリーム

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近所の洋菓子屋がつくる、シュウクリームです。
「創作」と称す奇を衒った「いまどき洋菓子」と違って、
「普通」なところが好みです。

アンファン・シャントゥール(Enfants Chanteurs)
神戸市灘区篠原本町2−4−19
078-881-3344

2009年10月21日

カナダの鏡開き

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先日、カナダへ送った弊店の酒樽が無事届いたようです。

今年の四月からメールのやりとりが始まって、約半年の打ち合わせの末、T氏御夫妻のカナダでの披露宴に樽屋竹十の酒樽をお使いいただきました。
結婚披露のパーティーは、カナダと日本、両国の文化を取り入れた工夫が現地の皆さんに評判だったそうで、樽屋にとってもこの上なくうれしいことでした。


おめでとうございます。
末永くお幸せに。



2009年10月22日

秋祭りと酒樽

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全国各地で秋祭りや運動会があります。
その度に、かつて忘れられていた酒樽や樽太鼓が使われる風習が復活してきて、
酒樽屋は大忙しです。
年々、活発になっているようです。

樽屋の隣町でも「だんじり」が出ました。

2009年10月23日

ルドルフ二世の酒樽

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アルチンボルドが2点(1点は工房作)来ています。(上の酒樽の絵は不出展)
だまし絵」11月3日まで

兵庫県立美術館

〒651-0073
神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号[HAT神戸内]
TEL:078(262)0901

たるや 竹十

  • たるや 竹十



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