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樽屋 谷崎潤一郎旧宅「お伽噺の家」に行く

大谷崎は関東大震災から逃れ、京都を経て、大正十三年春、神戸に初めて総面積300坪のT氏の家を借りました。

当時は西側にあった二階建てのクリスマスケーキのような母屋の洋館から神戸港が一望出来たことでしょう。その母屋は既に人手に渡り、書斎として使われていた、この小さな別棟だけが阪神大震災にも耐え、数少ない神戸に残る大谷崎の旧居でした。

平成十一年に借家人K氏が出てから空き家になり、残念ながら、この度所有者の意向で解体が決定した為、支援団体が借り受け、四月一日と二日の二日間、内部を一般公開したのです。

樽屋も梅見がてらに家族で見学に行ってきました。

住みやすいようにK氏が改装したので、元の面影は全くありません。
平凡な安普請の平屋です。
でも前庭(実際は空地)だけは、たっぷりあります。井戸もありました。
大谷崎もこの井戸で釣瓶桶を使って水を汲んでいたのでしょうか。


見なかったら後悔するけれど、見たらがっかりするといった「物件」です。
何度もこの前を通ったことはありましたが、奥まっている上に五段の階段の上に建つ凡庸な家なので、『北畑戸政の家』として存在は知ってはいても今まで見つける事が出来ませんでした。

『痴人の愛』は、舞台となった、この「お伽噺の家」と奈良ホテルで執筆されたのです。


解体は七月の予定ですから、外部は未だしばらく見ることが出来ます。
神戸市東灘区本山北町3-9-11 本山第一小学校東隣 
谷崎年譜で、北畑戸政249の1と表記されている建物です。 


当時のままかどうか分かりませんが「赤い屋根」です。それもスレートの。

「マッチの箱のやうに白い壁で包んだ外側」

「ところヾに切ってある長方形のガラス窓」

 

「正面のポーチの前に、庭といふよりは寧ろちょっとした空地がある」

 
大正14年7月 改造社刊

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たるや 竹十

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    2006年04月02日 23:18に投稿されたエントリーのページです。

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