「たるや竹十」のホームページをご覧になって、つけもの樽を買いにやって来てくれました。
車で一時間ばかりの所にお住まいのご夫婦ですが、マンションのベランダに置くため、ご自分の目で現物を見て寸法を知りたかったのだそうです。
今は、プラスチックの容器で漬けておられるのですが、使っているうちに漬物にプラスチックの匂いが移ってくるらしいのです。
「少しずつ、プラスチックが溶け出しているのではないか?」と言われていましたが、実際は使っているうちに、傷付いて削り取られたプラスチックの粉末が漬物に混入しているみたいでした。
人体に害はないのですが、美味しくないことには間違いありません。硝子でさえ、微量に溶解していくのだそうです。
木の樽は呼吸しているので、不要な水分は外に出し、新鮮な空気を中に入れています。甕や瓶でも、そうはいきません。また、プラスチックは夏に膨張し、冬には収縮するので、短期間に劣化して割れてしまいます。
まったく手前味噌ですが、何十年も使える杉の容器の方が長い目で見ると安いと言えるでしょう。漬物や味噌の漬け方についての書物には、殆ど「木の樽はもう手に入らない」と書かれてしまっています。我々樽屋の怠慢だと大いに反省しております。
